常子、プロポーズされる5
美子は「いつもトトねえは家族のためというけど
息苦しいの。もう少し自由にさせてほしい」といった。
鞠子は、「ととねえは、もっと自分のために
お金を使ってほしい」といった。
常子は鞠子と美子が思っていた以上に
成長しているのをしった。
君子は「常子は自分のことを考える時期かもね」と
いう。
でも常子はトトが言った言葉が
忘れられない。
「約束してほしい、トトの代わりに
家族を守ると・・・」
そして、いま、星野のプロポーズがあった。
常子は会社に行ってもつい考え事をして
しまった。
早乙女は「妹さんたちを結婚させるまで走り
続けるのでしょ?」
と励ました。
会社の帰りに滝子に会いに行った。
妹たちが思っている以上に
大人なんだと思ったことを話すと
滝子は笑った。
そして、美子がお駄賃を
学費の返済に充ててほしいと持ってくる
といった。
ふたつきの空き缶のなかを
みると小さなお金がいっぱい
集まっていた。
「かわいいもんじゃないか、これで
一人前に学費を返済していると思って
いるのだよ」という。
「あの子がこんなことをやるのも
常子がいるから、自由にできるんだ」と
いった。「まだまだ鞠子も美子も子供だよ」と
いう。
常子は家に帰って茶の間の机の前にいる
美子に声をかけた。
「よっちゃん
ごめんね。」
お駄賃のことを祖母から聞いたと
話をした。
「ひどいことをいったわね。」
すると美子は「私もいろいろごめんなさん」と
いって顔を見合わせた。
美子はたちあがって
今まで編んできたマフラーを渡した。
「ととねえは、自分の好きな洋服も
かわずにがまんしている。
せめてマフラーぐらい新しいものを
つけてほしい」という。
常子は嬉しく思った。
笑いながら、美子は「お出かけしよう」と
いった。
「上野動物園もいいな
銀座のハンバーグもいいな・・」
といって二人は笑った。
そのよる、常子はある決意をした。
翌日星野の下宿を訪ねた。
星野は荷物をまとめていた。
常子は浜松から引っ越してきたとき
こんな感じで荷物だらけだったと
思い出を話した。
「こんなとき、小銭を見つけたり
しませんか?
妹たちといくら見つけたといって
競争しました」と笑った。
常子ははっとして、「こんなこと
言いに来たのではないのです」という。
星野は「自分も緊張しているときに
どうでもいいことを言ったりしますよ」という。
常子は「私たちは似てますね」といった。
「きっと、いい夫婦になる」と思います。
星野は
「え?それじゃ・・・・」という。
「星野さん、私は今は
結婚できません。
ごめんなさい、今は・・家族と離れるわけには
・・・
もっと支えてなくては、まだまだ
支えなくてはと思います」という。
星野は、「そうですか・・」と
声を落とした。
「すみません・・・」
星野は
「謝らないでください。常子さんのことだから
とても真剣に考えて下さったと
思います。
僕も心のどこかでそういわれるのではと
思っていました。」
家族思いの常子さんだからきっとそう
いわれるだろうと思っていたと星野は言う。
そして
「もう遅いですから、森田屋まで
送ります。」
といった。
*****************
常子の一大決心だった。
家族を守りたい。
反抗されても
守りたい。
美子と鞠子に非難されても
守りたい。
妹たちを嫁に出したい。
それは常子にとって生きる
目標であり、愛する家族への
自分の責任だと思っているのでしょう。
それなのに、星野と結婚したら・・
どうなると思ったのでしょうか?
きっと後悔するし、そんな自分は
星野にも迷惑をかける
と思ったのでは?
などと考えます。
けして、いいタイミングの結婚のお話では
ありません。
ちょっと遅い目ですが
いい感じのふたりでもあります。
でも、運命は・・・・
常子をいい母いい妻にさせないのですね。
いい姉、いい娘なのでしょう
あなただったら、この運命に逆らいますか?
私だったら・・・
この運命に・・・従うと思いますが。
いいお話ですが、自分にとって
いいタイミングではないのです。
もし・・・
鞠子が大学を卒業して
美子が女学校を卒業して
就職していたら・・・・・。
妹たちを嫁に出していたら・・・
いい潮時とおもうことでしょう。
時の運と人の縁がいっちしたら
いいのですが
人の縁があっても時の運が
なかったら
結婚してもあとあと
後悔します。
きっとね。
美子は「いつもトトねえは家族のためというけど
息苦しいの。もう少し自由にさせてほしい」といった。
鞠子は、「ととねえは、もっと自分のために
お金を使ってほしい」といった。
常子は鞠子と美子が思っていた以上に
成長しているのをしった。
君子は「常子は自分のことを考える時期かもね」と
いう。
でも常子はトトが言った言葉が
忘れられない。
「約束してほしい、トトの代わりに
家族を守ると・・・」
そして、いま、星野のプロポーズがあった。
常子は会社に行ってもつい考え事をして
しまった。
早乙女は「妹さんたちを結婚させるまで走り
続けるのでしょ?」
と励ました。
会社の帰りに滝子に会いに行った。
妹たちが思っている以上に
大人なんだと思ったことを話すと
滝子は笑った。
そして、美子がお駄賃を
学費の返済に充ててほしいと持ってくる
といった。
ふたつきの空き缶のなかを
みると小さなお金がいっぱい
集まっていた。
「かわいいもんじゃないか、これで
一人前に学費を返済していると思って
いるのだよ」という。
「あの子がこんなことをやるのも
常子がいるから、自由にできるんだ」と
いった。「まだまだ鞠子も美子も子供だよ」と
いう。
常子は家に帰って茶の間の机の前にいる
美子に声をかけた。
「よっちゃん
ごめんね。」
お駄賃のことを祖母から聞いたと
話をした。
「ひどいことをいったわね。」
すると美子は「私もいろいろごめんなさん」と
いって顔を見合わせた。
美子はたちあがって
今まで編んできたマフラーを渡した。
「ととねえは、自分の好きな洋服も
かわずにがまんしている。
せめてマフラーぐらい新しいものを
つけてほしい」という。
常子は嬉しく思った。
笑いながら、美子は「お出かけしよう」と
いった。
「上野動物園もいいな
銀座のハンバーグもいいな・・」
といって二人は笑った。
そのよる、常子はある決意をした。
翌日星野の下宿を訪ねた。
星野は荷物をまとめていた。
常子は浜松から引っ越してきたとき
こんな感じで荷物だらけだったと
思い出を話した。
「こんなとき、小銭を見つけたり
しませんか?
妹たちといくら見つけたといって
競争しました」と笑った。
常子ははっとして、「こんなこと
言いに来たのではないのです」という。
星野は「自分も緊張しているときに
どうでもいいことを言ったりしますよ」という。
常子は「私たちは似てますね」といった。
「きっと、いい夫婦になる」と思います。
星野は
「え?それじゃ・・・・」という。
「星野さん、私は今は
結婚できません。
ごめんなさい、今は・・家族と離れるわけには
・・・
もっと支えてなくては、まだまだ
支えなくてはと思います」という。
星野は、「そうですか・・」と
声を落とした。
「すみません・・・」
星野は
「謝らないでください。常子さんのことだから
とても真剣に考えて下さったと
思います。
僕も心のどこかでそういわれるのではと
思っていました。」
家族思いの常子さんだからきっとそう
いわれるだろうと思っていたと星野は言う。
そして
「もう遅いですから、森田屋まで
送ります。」
といった。
*****************
常子の一大決心だった。
家族を守りたい。
反抗されても
守りたい。
美子と鞠子に非難されても
守りたい。
妹たちを嫁に出したい。
それは常子にとって生きる
目標であり、愛する家族への
自分の責任だと思っているのでしょう。
それなのに、星野と結婚したら・・
どうなると思ったのでしょうか?
きっと後悔するし、そんな自分は
星野にも迷惑をかける
と思ったのでは?
などと考えます。
けして、いいタイミングの結婚のお話では
ありません。
ちょっと遅い目ですが
いい感じのふたりでもあります。
でも、運命は・・・・
常子をいい母いい妻にさせないのですね。
いい姉、いい娘なのでしょう
あなただったら、この運命に逆らいますか?
私だったら・・・
この運命に・・・従うと思いますが。
いいお話ですが、自分にとって
いいタイミングではないのです。
もし・・・
鞠子が大学を卒業して
美子が女学校を卒業して
就職していたら・・・・・。
妹たちを嫁に出していたら・・・
いい潮時とおもうことでしょう。
時の運と人の縁がいっちしたら
いいのですが
人の縁があっても時の運が
なかったら
結婚してもあとあと
後悔します。
きっとね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます